《第1章 著作者の権利》
①著作物
著作権法では「思想又は感情を創造的に表現したものであって、文学、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されている。つまり、単なるデータや形になっていないアイディアは省かれる。 本のタイトルや名称、文章化されていない言葉など上記範囲に含まれないものは著作物ではないとされる。
具体的な例としては
・小説や脚本などの言語の著作物
・音楽
・写真
・映画・動画
・絵画
・漫画
・放送
・WEB上の著作物
・建築
・プログラム
・新聞、雑誌(編集著作物) 等がある。
著作物だが権利が発生しないもの(第13条)
・憲法、裁判所の判決、国の機関等による告示等
参考: 著作物にはどんな種類がある? | 著作権って何? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC
②-1 著作者
著作権法で著作者は「著作物を創作する者をいう。」 と定義されている。つまり、小説や脚本でいえば作品を書いた著者、音楽でいえば曲を作った作曲家/作詞家、写真でいえば写真を撮影したカメラマンが著作者にあたる。ほかに、画家であったり、学術論文の作 者、・・・原作品の作者なども含まれ、その人たちの権利を著作権という。さらに、その著作権は会社や別の人に売ったり、管理の契約をすることもできる。
②-2 著作権者
著作権を譲渡契約や管理のための委託契約によって取得した人や法人(会社)をいう。ビジネスとして登場するのが、これらの会社である。もちろんプロダクション(事務所)系の権利会社も含まれる。また、著作者の死後にその権利の相続を受けた人や法人も該当する。
③権利の内容
著作者の権利には【著作者人格権】と【著作権(財産権)】の 2 つがある。
【著作者人格権】
著作者の人格的な利益を保護する権利。著作者だけが持っているもので、譲渡・相続ができない一身専属性である(第59条)。 著作者の死後も一定の範囲で守られることになっている(第60条、第116条)。
・公表権(第18条):著作者が未公表の自分の著作物を公表するかしないか、するならどのような方法かを決められる権利
・氏名表示権(第19条):著作者が作品を公表する時に著作者名を表示するかしないか、実名か変名かを決められる権利
・同一性保持権(第20条):著作者が自分の作品を意に反して勝手に改変されない権利
・名誉・声望の権利(第113 条 6) 〔みなし侵害〕
【著作権(財産権)】
財産的な利益を保護する権利。 著作者人格権とは異なり、一部あるいは全部を譲渡・相続することが可能。 その場合は著作者ではなく、譲渡・相続した人が権利者となる。
・複製権(第21条):著作者が自分の作品を印刷、録音、録画などコピーする権利
・上映権(第22条):著作者がその著作物を公衆に上映する権利
・公衆送信権等(第23条):著作者が自分の作品を TV やラジオ等で放送したり、インターネット上に配信する権利
・頒布権(第26条):著作者が映画の著作物を販売したり、レンタルでの貸与を許可する権利など
・譲渡権(第26条の2):著作者はその著作物(映画の著作物を除く)の現作品や複製物を公衆に提供する権利
参考:著作者にはどんな権利がある? | 著作権って何? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC